opinion

生命科学には少なくとも弘中勝と結城浩が必要だ

先ほどのエントリに書いた「新しい高校生物の教科書」には、項の最初にクイズがある。 真核生物の遺伝子の本体(実体)は何か。 (1) DNA (2)RNA (3)タンパク質 クイズといえば、化学同人の月刊「化学」でも、科学リテラシー研究会がクイズ記事を掲載している…

"すぐに役立つ"生命科学はまやかしではないか? *3

生命科学の科学記事には、社会的な有用性(の可能性)を高らかに謳ったものが多い気がします。また、研究者や科学コミュニケーションを進める人の中にも、「社会に役立つ」ことを単純に支持してしまう傾向があるように思います。しかし、それは本当でしょう…

最先端の科学は切り口を命名する*2

科学というのは、「切り口」を決める機能が特に重要なのではないかと思います。昨年の選挙の、「郵政民営化」の話とかが分かりやすいかもしれません。小泉さんが言ったのは、「郵政民営化」か「それ以外」かという「切り口」でした。 そして、その切り口しか…

脳って、Windowsプログラミングみたいなもんなんじゃないの?

自我はどこにあるか? 「統一的に人間をコントロールできる感情や精神活動の総体」=「自我」は「どこにあるか?」という問いは長らく根源的な問題とされてきました。しかし、自我に対して「無意識」を設定しなければならないほど、切れ味の鈍い考え方だった…

新技術を受容するには

前回のサイボーグの話題についてmixiでその後も反響をいただいた。また、BLSのMLでも何件か意見交換がされていた。前回の日記の僕の結論やBLSでの結論はどちらも、既に科学的に判明している「自我というものの不安定さ」を事前に知っていたか否かが反応を大…

サイボーグ技術

mixiでマイミクさんが土曜日のNHKスペシャルを話題にしている。 NHKスペシャル http://www.nhk.or.jp/special/ 2005/11/05 立花隆 最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える 補遺 http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/sci/project/nhksp/ ちなみに補遺のページは…

高円寺〜吉祥寺と新星堂、本屋

新星堂の今期、経常赤字に転落へ・赤字は5期ぶり http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20051009AT2E0700L07102005.htmlという記事を見かけてキュンとなる。 僕が初めてCDというものを自分で買ったのは小学校の随分後で、確かテニススクールがあった高田馬場…

ヒマラヤの花畑

ヒマラヤの高山帯を行くと、とにかく広大で美しい花畑があるらしい。 なぜか? ここで、大自然の力、と答えるのは勝手だ。でも、それは"野蛮な"考え方かもしれない。 1.毒や苦みのある植物はしばしば美しい花を咲かせる。 2.草食動物は(美しい花を目印…

私たちだけが選べるという感覚

何日か前に生命科学系某組織のの各種開票作業をしていた。 まず終わったのが今年の参加者がどこでその集まりを見つけたかという調査である。 今年の参加者で多かったのは ・口コミ ・2度目以上の参加 ・スタッフ ・mlの中でも、mlにあわせて掲載情報を減ら…

選挙の楽しみ方と笑いについて

とめどなく、週末に思ったこと。 「笑い」というは本質的に背徳感の一種かな、ということ。自分以外が決めたルールではなくて、自分が自分を守るために課しているプチルール。つまり、(そこを踏み誤ると、大変なことになるぞ)と暗黙すれすれで思っている心…

みっくすじゅーす

日々安定した心持ちで過ごすには、日々やっていることがミクロとマクロで同じ方向を目指していることが重要な気がする。そういう意味で僕の今研究しているミクロなことは、自分の大局的な倫理とか、明らかにしたいことと、今のところ僕の中で結びついていて…

描いて造って、魅せる分かる

博物館に行くと剥製や化石が並んでいる。実物の横に解説が書いてあるとなんだか説得力がある。だが、現代的な生命科学の成果は、博物館はおろか、高校の教科書でも新聞でも断片的にしか伝えられていない。生命科学者と普通の人との知識差はあまりに大きく、…

知的フロー

一太郎好き人間としては悲しい判決が出た。 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0502/01/news052.html ただ、控訴するとすぐ発効とはならないらしいので、まぁ、その間に改良版をどうこうするのか? 問題の特許は、特開平03-144719。 http://www.ipdl.n…

2つの生き方

よく、「日本という国をここまで成長させてくれた先人に感謝」みたいなことが言われる。が、これは本当だろうか? 満ち足りた時代、分かりやすい「生きる目標」は共有されていない。端的に言えば、若者が生きる意味が存在し得ないのだ、共通合意としては。人…

桃の木の下には…

眠れぬ夜となってしまったので、無関係な人には全く意味をなさない思い出話を書いておきたい。 教育実習のひそかな楽しみ方のひとつに、昔習った先生の授業を見れることがある。関係ない教科の授業でも、事前にお願いし、了承してもらえれば見学できる。先生…

たぶん解けなそうな謎

「取材とまったく正反対の記事を書かれた」某幹部は、 なんで疑いなく自分が記事の「某幹部」だといって 会見に出てきたのだろう。 あそこまで言うなら、もっと最初に迷いの表明を すべきなのでは。。。? あぁ、追いつめられた組織は恐い。 上を勘案すれば…

芽は傷口から出る

自分が徹底的に無価値にされて辛かった思い出が、今のボクを生き生きとさせてくれていると感じる。今日はまたそれを思い出すのにいい日だ。 震災は体験していない。 あの日、我がボロ家は東京のくせに震度2くらいで揺れた。ボクはテレビにかじりついた。関東…

どう分けると良いか?(書きかけ)

グローバル化だとか規制緩和だとかが叫ばれている。 グローバルな僕たちは世界各地の名産を即座に食べることができる。規制緩和後の未来は不当な障害、差別もなくなって、すばらしいサービスが切磋琢磨している、はずだ。僕たちは政府や利権を壊し、国境を無…