新技術を受容するには

 前回のサイボーグの話題についてmixiでその後も反響をいただいた。また、BLSのMLでも何件か意見交換がされていた。前回の日記の僕の結論やBLSでの結論はどちらも、既に科学的に判明している「自我というものの不安定さ」を事前に知っていたか否かが反応を大きく変えているのではないか、ということ。*1
 遺伝子組み換えと同様、技術への受容度というのは、

  • それ以前の科学・文化・歴史をどれだけ知っているか<欠如モデル>
  • 現在それに近いことで恩恵を得ているかの自覚度合い<政治的モデル>

の2つの大きく依存しているのではないか。科学者集団といえども日和見な人は沢山いるので、見ようによっては後者が強い問題もあるのかもしれない。が、突出した技術を推進した思想の中には必ず前者のように、歴史としてあるいは文化として科学の深い理解に根ざした思想を持っている気がする。それをいかに見いだして、伝えていくかが重要だと思う。



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*1:この記述はSTSの人から見れば「欠如モデル」と言われてしまいそうであるが、実際の所、僕は欠如モデルが的を射ているのだと思う。が、それはまたいずれ。