科学者という仕事

中公新書 酒井邦嘉
「科学者という仕事 独創性はどのように生まれるか」
isbn:4121018435

あの、「言語の脳科学」で売るのに物理学出身という異色の経歴の持ち主、駒場前期課程授業の人気助教授にして、そりが合わない人とはとことんそりが合わないという天才肌の男が科学者論を出版。講義の合間にしゃべる雑談をまとめたものだという。
内容はきわめて正統派。正統派過ぎて、そこは古いと感じるようなところも何点かあるが、そういう点も含めて、現在教員を為す人々の考えの「ど真ん中」である。数年後には「大学生が読んでおきたい50冊」に入るべくして入るだろう。大学院選び中の大学生や大学院生が「科学者になるというのはどういうことか」網羅的に学ぶのに最適。そして、過去の偉人のエピソードと共にストレートに語られる切り口は「研究者って得体が知れない」と思っている一般の方にもおすすめ。