もう一つの作品
駅にドレスデンだのプーシキンだのの美術展ポスターがたくさん貼られている。
最近は某若手でせっせとポスター貼付け場所を探す身なので、ポスターにはつい目がいく。このポスターをみた何人が会場に訪れるのだろう?何が行動をおこすポイントなのか?
一つの基準として、もう一度思い出したくなるのは重要かもしれない。僕はこのポスター前を通りすぎる度に心を奪われているので、いずれ研究室の机の前でこの美術展のサイトを探してしまうだろう。では僕の心を奪っているのはポスターの何処なのだろうか?
載っている代表作のセレクト?もちろんすごく大事だったろう。でもそれだけじゃない。銀色っぽい枠や赤の枠がついたポスターの全体がもう一つの作品になって僕を呼んでいる、そんな気がする。
そして僕は美術展に行って、きっとその名画の前で立ち尽くすのだろう。斜めピンクの背景を付けたあなたに会えないのを知って。